ドイツの発明 -「発明の国」ドイツ生まれの発明と誕生のストーリーなどをご紹介いたします。
【ドイツの発明】 No.003:クラシック音楽はドイツ生まれ?

クラシックはドイツ生まれ?
今でいうところの「クラシック音楽」が形作られていったのは、16世紀の中頃からのこと。
それまでの宗教音楽的な側面とは違った流れが生まれ、本格的な器楽音楽も行われるようになっていきます。
ヨーロッパの音楽は、賛美歌や聖歌など教会を中心とした宗教音楽や吟遊詩人による世俗音楽を経て、イタリアの宮廷やフランスの王室で大きく育っていきます。
この頃になると、音楽の流れは、宗教的な側面よりも人間の喜怒哀楽を背景にした「歌」や「劇」によるところが大きくなっていき、イタリアではオペラが、フランスではバレエが文化の中心になっていきます。
一方、ドイツでは違った音楽の流れが生まれていきます。
ドイツにも、他の地域と同様に、「歌」や「劇」はあったものの、それ以上に音楽の仕組みや論理が重視されていました。それらは、交響曲や弦楽四重奏曲、ピアノ・ソナタなどの形で実際に示され、今でいうところの「クラシック音楽」の様式が作られていったのです。
ナイフは作曲家の必需品?
楽器、楽譜(紙)、羽ペン、そして、ナイフ。
これらは、当時の作曲家にとっての必需品でした。
では、なぜナイフが作曲に必要だったのでしょうか...?
紙の生産が機械化される以前に使われていた羊皮紙や手漉きの紙は、現在の紙よりもはるかに厚く、そして高価なものでした。
そのため、書き間違えたり、後から思い返して直したくなったりしたときには、直したい箇所の紙の表面をナイフで削り、上から新しい内容を書いていたのだと言います。
ちょっとしたエピソードですが、当時の作曲家が苦労しながら、クラシック音楽を作っていったのだということが想像できます。